北九州|「ひらけ旦過!」愛すべき混沌と市場の温度を未来へつなぐ写真募集企画
北九州の旦過市場で、街の記憶と活気を未来へ残す写真募集企画「ひらけ旦過!」が展開されている。便利さが進む一方で、人と人との接点が減りつつある今、旦過市場に息づく“温度”や“混沌”を記録し、共有することを目的とした取り組みだ。
旦過市場に足を踏み入れると、まず圧倒されるのは旬の臨場感である。巨大な大根や葉先まで張りのある白菜、脂ののった魚、艶やかに実った果物。整然と並ぶ商品というよりも、生命力そのものが市場に溢れている。魚を並べる氷の音、店先で野菜を刻むリズム。視覚だけでなく、音や気配が五感を刺激する。

もうひとつの魅力は、現代では貴重になりつつある「愛すべき混沌」だ。肩越しに注文を通し、手から手へとお金が渡る。その一瞬一瞬に生まれるライブ感が、買い物を単なる消費行動以上の体験へと変えている。
新聞紙に包まれて手渡される野菜に戸惑いながらも、次第に感じる心地よい違和感。ビニール袋が当たり前になった世代にとって、そのやり取り自体が新鮮な驚きとなる。旦過市場では、物とお金だけでなく、言葉や表情、間(ま)までもが行き交っている。

「今日は寒いね」「これ、どうやって食べるとおいしい?」。そんな何気ない会話が自然に生まれるのも、この市場ならではの光景だ。人が常に介在する日常が、ここには今も息づいている。
本企画では、そうした旦過市場らしさを切り取った写真を募集している。立派な観光写真である必要はない。買い物袋からはみ出す野菜、店主との立ち話、雨の日のアーケード。心が温かく動いた瞬間こそが、最も価値ある記録となる。

再整備が進み、景色が変わりゆく中で、昭和や平成の日常を写した写真は、かけがえのない街の財産となる。色褪せた一枚であっても、その一瞬に宿る市場の温度は、未来へと確かに受け継がれていく。
イベント概要
名称:ひらけ旦過! 旦過市場の写真募集企画
内容:旦過市場の日常や活気、記憶を写した写真の募集
応募:北九州市ホームページ「旦過市場の写真展」
問合:産業経済局地域経済振興部サービス産業政策課
住所:福岡県北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2050
Event Summary for International Visitors
“Tanga Market Photo Project ‘Hirake Tanga!’” invites people to share photographs capturing the vibrant atmosphere and everyday interactions of Tanga Market in Kitakyushu. The project aims to preserve the warmth, energy, and human connections found in this historic public market, highlighting its unique blend of seasonal produce, lively conversations, and nostalgic charm as the area continues to evolve.




