しばたみなみ、タイ・バンコクで滞在制作「SATI-SABI」展に出展 廃材を再生し“存在の意味”を問う
福岡を拠点に活動するアーティストしばたみなみが、2025年10月8日から11月17日までタイ・バンコクで滞在制作を実施中。長年にわたり「海ごみ」や「環境」をテーマにしたアートプロジェクト《ORINASU》を展開してきた彼女が、活動13年目を迎える今年、「ごみとは何か?」という根源的な問いに向き合い、現地で回収した廃材をもとに新たな作品を制作している。
これまで《ORINASU》は、海岸に漂着したプラスチックごみなど「不要とされたもの」を再生し、海洋環境の現実と共生の可能性を問いかけてきた。しかし今回の滞在では、「ごみ」という物質的概念を越え、社会の中で忘れられた価値や他者へのまなざしといった“見えない存在”に焦点をあてている。
「再生とは、ゼロから生まれ変わることではなく、すでにある命をもう一度見つめ直すこと」。
彼女の手によって拾い上げられた素材は、廃棄物ではなく“存在を認め直すための記憶の断片”として、作品の中で新たな命を宿す。
滞在制作の成果は、2025年11月15日からバンコクのMing Art Spaceで開催される企画展「SATI-SABI」にて発表される。本展は、タイのキュレーターChomtawan Kleuntanomによる企画で「時間という素材」「祈りと存在」「土地の記憶と対話する」をテーマに、タイ語の“Sati(สติ:気づき・マインドフルネス)”と日本語の“Sabi(寂:不完全さ・静けさの美)”を掛け合わせた哲学を軸に構成される。
出展作家は、日本のしばたみなみと、タイのアーティストChinnarat Mongkolchaiの2名。異なる土地と文化を背景に、それぞれの記憶や人との関わりから生まれた“存在のかたち”を提示する。
展示概要
名称:SATI-SABI
期間:2025年11月15日(土)~12月21日(日)
会場:Ming Art Space(バンコク・タイ)
参加:しばたみなみ(日本)、Chinnarat Mongkolchai(タイ)
主催:Ming Art Space
アーティストプロフィール
しばたみなみ(Minami Shibata)
福岡を拠点に活動するマルチディシプリナリー・アーティスト。建築デザインの知見を背景に、環境や素材の変容をテーマとする作品を制作。社会の中で見過ごされてきた“いのち”や“想い”を再び世界に認め直すことで、存在の本質的な価値を問い直す。
日本財団・環境省共催「海ごみゼロアワード2021」環境大臣賞受賞。
Chomtawan Kleuntanom
バンコクを拠点に活動するアーティスト。仏教的思想をもとに、誠実さ・やさしさ・愛を核に創作を行う。近年は紙粘土を使った素材研究を通して、思考と感情の形を探求している。
Event Summary for International Visitors
Japanese multidisciplinary artist Minami Shibata is conducting an artist residency in Bangkok (Oct 8–Nov 17, 2025), creating works from local discarded materials that question the meaning of “waste” and existence itself. The resulting exhibition, “SATI-SABI”, curated by Chomtawan Kleuntanom at Ming Art Space (Nov 15–Dec 21, 2025), explores awareness, imperfection, and spiritual connection through art. Co-exhibiting with Thai artist Chinnarat Mongkolchai, Shibata presents works inspired by prayer, cycles of life, and the memory of place.








