佐賀|唐津くんち二番曳山「青獅子」誕生二百年祭でクラウドファンディングがスタート
「青獅子」誕生二百年祭を通じて受け継がれる唐津の伝統を次世代に。
唐津くんちは、九州北部の佐賀県唐津市で毎年11月2日から3日間開催される唐津神社の秋季例大祭で、漆塗りの豪華な曳山14台が旧城下町を巡行する、200年以上前から続く、地域の人々に愛されている祭りです。2024年には、二番曳山「中町 青獅子」が誕生二百年を迎えることを受け、特別な提灯を制作するクラウドファンディングがスタートした。
クラウドファンディングURL: https://readyfor.jp/projects/aojishi
プロジェクトへの想い
唐津くんちは、200年以上の歴史を持ち、唐津市の人々にとってはただのお祭りではなく、 地域の誇り であり、 文化の象徴 です。特に中町の青獅子はその中でも重要な役割を果たしてきました。しかし、近年では少子高齢化の影響で以前と比べると商店街の活気はなくなり、その伝統を継承することの難しさや、 若い世代の関心の低下 が町では大きな問題となっています。
第二次大戦中、徴兵された男性に代わり、残された女性が曳山を曳いたという歴史がありますが、新型コロナウイルスの世界的流行で2020年は神事のみ行われ 曳山巡行は中止 となり、 200年の歴史の中で初めての出来事 となりました。当たり前に毎年開催されている唐津くんちが開催されないという 大きな喪失感 に襲われ、この年は何をやるのにも力が入らなかった思い出があります。そこで青獅子の 生誕200年 という大きな節目を迎える今年、私たちは唐津くんちの 魅力を再確認 し、 広く伝えるため に中町「中正会」を中心に地域活動団体と協力して、このプロジェクトを立ち上げました。
唐津くんちとは
唐津くんちの御神輿の渡御は、江戸時代の寛文年間(1661~1673年)頃に始まったと伝えられています。曳山は御神輿にお供して神様を警護する目的で造られました。現在伝わる曳山の歴史は、氏子町の一つである刀町が赤獅子を文政2年(1819年)に唐津神社へ奉納したのが始まりです。その後、明治9年までの57年間に15台の曳山が製作され、そのうち1台は明治中期に損滅しましたが、現在14台が現存しています。
製作には3年前後を費やしたと言われ、木組み・粘土で原形を作り、その上から和紙を数百回貼り重ね、麻布を貼り、漆を塗り重ね、金銀を施して仕上げられています。1台あたりの重さは2~4トンあり、1台につき曳き子が200~400人で曳いています。曳山は昭和33年に佐賀県の 重要有形民俗文化財 に指定され、唐津くんちの曳山行事として昭和55年に 国指定重要無形民俗文化財 に指定されています。平成27年には ユネスコ無形文化遺産 にも登録されており、日本が誇る文化財として世界からも評価されています。