「保育園では完食、家では食べない」離乳食の悩み、宮崎の保育園の栄養士に聞いた
「連絡帳には『離乳食、完食です』って書いてあるのに…」。保育園に子どもを預けているママ・パパから、よく聞く悩みです。同じような離乳食を出しているはずなのに、家では口を開けてくれない。手間をかけてつくったぶん、落ち込んでしまいますよね。
そこで今回は、宮崎県の「みらい橘通保育園」で、毎日子どもたちの献立を考えている栄養士の橋口さんに、「保育園では食べるのに、家では食べない」理由と、家でもできる工夫を聞いてきました。
保育園と家では、食べるときの「条件」がちがう
Q. 保育園では完食するのに、家では食べない。そんな相談は多いですか?
とても多いです。お迎えのときに「家では全然食べなくて…」と声をかけられることは、しょっちゅうあります。でも、これはご家庭のやり方が悪いわけではありません。保育園と家では、食べるときの「条件」が違うんです。
Q. 保育園と家では、何が違うのですか?
大きく3つあります。
1. 生活のリズム
保育園では、起きる時間、遊ぶ時間、食べる時間が毎日ほぼ同じです。しっかり体を動かして、おなかが空いたタイミングでごはんになります。
2. まわりのお友だち
隣でお友だちがおいしそうに食べていると、「自分も」と真似して口を開ける子が多いです。
3. 大人の気持ち
保育士は「今日は食べなくても大丈夫」という構えで見ています。家だと、つい「食べてほしい」という気持ちが強くなりますよね。赤ちゃんは、その空気を意外と感じとっています。
Q. 離乳食そのものにも違いはありますか?
あります。保育園では、月齢や一人ひとりの進み具合にあわせて、かたさや大きさを細かく変えています。家では、かたすぎたり、粒が大きすぎたりして食べにくいことがあります。もうひとつはだしです。うちの園では毎日だしをとっていて、味付けがうすくても、だしのうまみで食べてくれます。
家でもできる5つの工夫
Q. 家でも食べてもらうために、今日からできることは?
むずかしいことではなく、保育園の「条件」に少し近づけるだけです。
1. 食べる時間をだいたい決める
毎日おなじ頃にすると、おなかが空くリズムができます。
2. 足を床や足置きにつける
姿勢が安定すると、かむ・飲み込むがしやすくなります。
3. テレビやスマホを消す
食べることに集中できる環境をつくります。
4. 大人も一緒に食べる
「おいしいね」と食べてみせるのが、家での「お友だち」の代わりです。
5. 最初は少なめに盛る
「全部食べられた」を増やすと、大人も気が楽になります。
Q. それでも食べないときは?
15〜20分くらいで切り上げて大丈夫です。無理に口に入れると、かえって「ごはんの時間はいや」になりやすいんです。食べる日もあれば、食べない日もある。赤ちゃんはそれが普通です。
ママ・パパの気の持ち方
Q. 毎日の離乳食づくりが負担です。市販の離乳食に頼るのは、いけないことですか?
まったくそんなことはありません。「手作りしなきゃ」と思いつめて、食卓でイライラしてしまうほうが、赤ちゃんには伝わります。つくる時間を減らして、その分、赤ちゃんの顔を見て「おいしいね」と声をかける時間にしてほしいです。
Q. 最後に、離乳食に悩むママ・パパへひとことお願いします。
離乳食は、赤ちゃんが「食べるって楽しい」と知る期間です。量や進み具合は、ほかの子と比べなくて大丈夫。家族で笑って食卓を囲むことが、いちばんの離乳食のコツだと思います。
取材協力
みらい橘通保育園 栄養士 橋口さん
































