九州大学とWWFジャパンが佐賀東与賀の生き物3Dデジタル図鑑を公開 2024年9月発表

WWFジャパンと九州大学は2024年9月25日、佐賀市東与賀地域の水辺に生息する生き物を紹介する地域特化型「東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑」を公開した。ムツゴロウやニッポンバラタナゴなど計52種を収録し、画像や3Dモデル、動画や音声で観察できる。希少種や干潟の生態系を理解し、地域住民が自然保全に関心を深めるきっかけとする狙いだ。

佐賀市東与賀町はラムサール条約登録湿地「東よか干潟」を有し、ムツゴロウやシオマネキなどの独特な生態系が広がる。一方で、生物多様性の豊かさは失われつつあり、保全の必要性が高まっている。今回の図鑑は、干潟の17種、水田・水路に生息する魚類や両生類など35種を掲載。3Dモデルで自由に角度を変えて観察でき、動画や音声で生き物の姿を学べる。

WWFジャパンは九州大学大学院流域システム工学研究室と協力し、地域住民が「地域の宝」である生態系を知り、保護につなげることを目的とした。開発を担当した九州大学の鹿野雄一特任准教授は「有明海周辺は固有種も多く危機的状況。関心を持ち、価値を知ることが第一歩」とコメントしている。

プロジェクト概要

名称：東よか水辺の生き物マルチメディア図鑑
発表：2024年9月25日
対象：佐賀県佐賀市東与賀地域の水辺の生き物52種
形式：画像、3Dモデル、動画、音声で紹介
開発：WWFジャパン、九州大学大学院流域システム工学研究室
URL：https://yoka.species.jp/

Event Summary for International Visitors

On September 25, 2024, WWF Japan and Kyushu University released the “Higashiyoka Waterside Multimedia Encyclopedia,” a digital resource featuring 52 species living in Saga’s Higashiyoka wetlands and waterways. The online platform presents 3D models, images, videos, and sounds of species such as mudskippers and the endangered rosy bitterling. The project aims to raise awareness among local residents about the ecological value of this Ramsar-registered site and to encourage biodiversity conservation efforts in the region.