福岡|福岡市美術館で開催中の「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」は9月8日まで
世界で唯一のキース・ヘリングの美術館である中村キース・ヘリング美術館が監修、および約140点の作品を出品した福岡市美術館で開催中の「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が9月8日で終了となる。本展は、総作品数約150点で構成され、キース・ヘリングがアーティストとして活動した10年程の間に制作した作品の全容を概観する展覧会となった。
明るく、ポップなイメージで世界中から愛されているキース・ヘリング。
ヘリングは「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークで地下鉄駅構内やストリートなど、日常にアートを拡散させることで、社会へ強いメッセージを発信し、人類の未来と希望を子どもたちに託しました。ヘリングが駆け抜けた31年間の生涯のうち創作活動期間は10年程ですが、残された作品に込められたメッセージは、いまなお響き続けています。
本展は、6メートルに及ぶ大型作品や日本初公開含む約150点の作品を通してヘリングのアートを体感できる。社会に潜む暴力や不平等、HIV・エイズに対する偏見と支援不足に対して最後まで闘い続けたヘリングのアートが、現代社会に生きる人々の心を揺さぶる。
見どころ
ヘリングを一躍有名にしたサブウェイ・ドローイングを一堂に
今回展示されているキース・ヘリングの名前が世界に広く知られるきっかけとなったサブウェイ・ドローイングプロジェクトの作品7点のうち、中村キース・ヘリング美術館より2点の《無題(サブウェイ・ドローイング)》を出品しています。他5点はニューヨークから出品され、この巡回展で日本初公開となった。このプロジェクトによって描かれた作品では、コミカルで明るい表現から、社会への風刺を感じさせるものまで多彩な作風であったことを確認できる。
キース・ヘリングと影響を与え合ったアーティストの作品を、福岡市美術館の常設展示室でも。
本展覧会の1章から3章では、ヘリングがニューヨークを拠点としながら、同世代のアーティストであるジャン゠ミシェル・バスキアなど多くのアーティストと交流し、自身のアートを確立させて行ったことを紹介しています。中でもアンディ・ウォーホルから受けた影響は大きく、1986年にニューヨークでの「ポップショップ」のオープンの際に、商業的だと批判を受けたときも、ヘリングが「アートは大衆のためにある」という自身の信念を貫けるよう後押ししたのはウォーホルでした。また、幼少時から影響を受けたミッキーマウスとウォーホルが融合したキャラクターであるアンディ・マウスを生み出しています。
イベント概要
会期:2024年7月13日(土)~9月8日(日)
定休:月曜日 ※祝日の場合は翌日
時間:10時 ~ 17時30分 (最終入場時間 17:00
会場:福岡市美術館 2階特別展示室
住所:福岡市中央区大濠公園1-6