書道家:山口芳水 – どれだけ面白い書道教室をつくれるか
3月9日、佐賀市神園にオープンした、シロクロ書道教室。その代表であり、書道家として活躍する山口芳水(ほうすい)さんに話を聞いてきました。
シロクロ書道教室には、その時々で異なるアーティストの作品が並ぶギャラリーや、くつろぎのコミュニケーション空間の役割も持つという。このクリエイティブな空間で、どんな書道教室が開催されているのだろうか。
– 私のイメージしていた書道教室と全然違います!
最近、美文字などが一般的に認知され、佐賀でも需要がでてきているように感じますが、「書道」となるとまだ敷居が高い、そんなイメージがあると思うんです。
「書道」といえば、靴を脱いで正座して、書道を習うような。
シロクロ書道教室では、そんなイメージを払拭したかったんです。
ここでは靴も脱がなくていいし、正座ではなく椅子に座って筆を持ち、窓際で景色を見ながら書いたりできます。BGMに音楽を流し、ゆっくりとした空間で教えてますよ。どれだけ面白い書道教室をつくれるか、そんな思いで開きました。
– 音楽の流れる書道教室って多いのでしょうか?
あまりないと思います。
精神的にゆっくりとした中から生み出される書は、表現が柔らかくなると思います。
書は心というので、書く空間が柔らかいとそれが文字に表れます。
– シロクロ書道教室のコンセプトを教えて下さい。
リラックスできる環境や、くつろぐぎのスペース。ゆっくりとした時間が流れる場所。
そういったものがコンセプトになります。教えている事は他の書道教室と同様ですが、習いに行く事が楽しくなる。勉強しているけど何だか楽しい、そんな書道教室です。
– それでソファー置いたり、コミュニケーションのスペースを広く設けてあるんですね。
そうです。空間ごとに仕切りをせず、書道教室空間、コミュニケーション空間、多目的に利用できるギャラリー空間の3つでシロクロ書道教室は作られています。
ギャラリー空間では、陶芸などのアーティストの作品を展示しています。
– アンティークのアイテムや陶器などが並べられています、これは芳水さんがセレクトしたものでしょうか?
はい、全て一度に手にしたわけではなく、有田や糸島など様々な場所を周り、作品やアーティストに触れ、1点づつコレだと思うものを集めています。教室で使用しているテーブルも小学校の廃材になっていた机と椅子をカスタマイズしているんですよ。
しかも、子供の成長に合わせて椅子の高さが調整できるようにしています。
– それでは、芳水さんの書道家としてのお話をお聞きできればと思います。書道家としての人生を目指したきっかけなどはありますか?
特に「書道家を目指していた」というわけではなく、幼少時から書道はやっていたので、なんとなく書道家になるんだろうなとは思っていました。ですが、書道でご飯を食べれるようになりたいと意識したのは高校1年生の時です。
高校生の頃、書道の歴史に触れたんです。
書道の歴史を知ったことであらためて書道の面白さを感じ、同時期に幼稚園生 〜 小学校低学年までの指導をさせていただいたことで、人に教える事のおもしろさも知りました。
今思えばあの時期が書道家を意識したきっかけかも知れません。
– それでは書道の先生としての経験も積んできて、指導する立場のこだわりは?
それは一人一人にあった誉め方や叱り方です。
書道を習いに来る時は、毎回同じテンションで来ているわけではないので、「今日は元気だな」とか「少し元気がないな」など、教室に入ってきた時に、なるべく見極めれるように努力しています。
– 書道を学ぶことのメリットはどんなとこでしょう
一番は集中力ですね。ここに習いに来ている子供達は、学校の授業が短く感じたりするんです。
描写する力も身に付きます。お手本の文字をしっかりと見て書きますし、それと姿勢が正しくなります。
姿勢が曲がっていると文字も曲がるので姿勢は正しくと教えています。
– シロクロ書道教室はしっかり楽しく習えますね。
はい。どれだけ面白い書道教室を創れるか頑張ります。
プロフィール
書道家の両親を持ち、筆を握った時間は50000時間を超える。
書道歴29年、指導歴16年
- NHK美文字講座師
- 佐賀県書道展 審査員
- 佐賀県書道教育連盟 師範
- 佐賀県書作家協会 会員
- 山口芳水書道教室 主宰
- シロクロ 代表
シロクロ書道教室
住所:佐賀市神園1丁目5-5 専用駐車場地下有
電話:080-3980-0045
WEB:http://yamaguchihousui.com/ / WEBショップ
【ギャラリー取り扱い】
- 風唄窯
- 幸楽窯
- 肥前名尾和紙
【アクセス】
- 佐賀駅より徒歩15分 / 昭和橋バス停より徒歩3分