INTERVIEW:FIRE BALL – 例えるなら、長く続いている漫画みたい。
ジャパニーズレゲエシーンを牽引するファイヤーボール。結成18年目を迎えた今の心境や、18年間のレゲエシーン変化など、第一線で活躍する彼らの視線を探ってきました。
L→R:SUPER CRISS / CHOZEN LEE / JUN 4 SHOT / TRUTHFUL
– 2年ぶり4回目の佐賀公演ですが、佐賀ににどんな印象をお持ちですか?
CHOZEN LEE(以下 L)
そーだね。会場のラグジーに毎回長くいるから、ラグジーと目の前の佐賀神社のイメージが強いかな。でもいい場所っていうのは確定してるよね。
SUPER CRISS(以下 C)そう。いつもラグジーでライブやってるからね。
TRUTHFUL(以下 T)正直、観光をする時間もあまりないからさ。もっとすごく良いところもあると思うけど見に行けてないよね。
JUN 4 SHOT(以下 J)あとは・・・まなぶ君(※イベント主催者)が送ってくれる玉ねぎかな(笑)それに、うどんと海苔かな。それと有明海でガタリンピックがあってると聞いたからそれにも出てみたいとか思ってますね(笑)佐賀でやってみたいことはいっぱいあるよ。
ムツゴロウ取ってみたいし(笑)
– 今年で結成18年目ですが、メジャーとインディーの両方で活躍されていますが違いは感じますか?
T)まず歳とったねぇ。でも根本的なトコは変わってないかな。
L)メジャーとインディーを経験したことで、様々な変化をもちろん体験したけど、だからといってファイヤーボールの根っこの部分は変わってない。メジャーとインディーで何が違うかと言ったら、利益的な部分とか一般の人たちへのアプローチの仕方など色々あるんだけど、今の時代、どっちにいるからといって一般の人たちへ向けてのアプローチでいうとあまり関係ないのかもしれない。
T)見せる方法はいくらでもあるしね。
J)自分で発信できる時代になってきているから。例えばYOUTUBEとか自分で映像作って発信している人もいるし、ほんと昔と比べて見せ方の差がなくなってきている。
L)これはだいぶ変わったなって部分は自分達が経験してきてたことで色々できているからいいよね。今は歴史の変わり目にいると思うし。
J)メジャー入るときには、自分達のやりたいことをやらしてくれる契約をしたことが良かったかな。メジャーはビジネスが絡んでくるから、自分達の作りたい音楽と会社側が売りたい音楽で方向性が違ったりしたアーティストもいるって言うのは聞いたりしたことあったし。
T)その部分は永遠のテーマなんじゃないかな。『芸術とお金』じゃないけど…ほんと、そこはアーティストが悩みながら葛藤している部分だと思う。
C)今思えばメジャーへの入り方が特殊だったと思う。
T)昔だからありえたと思えるし。実際インディーで支持を得てデビューしたっていうのは感じた。横浜レゲエ祭とか、横浜ベイホールの外に1000人も入れない人がいたりとか、そんな現象が起きた結果、俺達がファイヤーボールだ!ドンッ!メジャーデビューみたいな流れだったからね。
そこを考えると俺ら的にはやってやった感があるし、アングラ感っていうか俺らの感じそのままを出してやったぜってとこはあるよね。
L)あの時代はちょうど音楽業界の戦略と俺達のスタイルが合致していたからできたと思う。それについては本当に俺達は巡り合わせが良かったと思ってる。
T)本当に感謝の言葉しかない。
L)色んな経験もさせてもらったしね。
– 結成された当時のレゲエシーンと現在のレゲエシーンでの違いは感じますか?
C)その時代その時代、波があったりするよね。
T)自分達が思っている以上にレゲエは進化したかな。日本独自にね。俺達はジャマイカの音楽を目指して、その良さを俺らなりに日本語で表現してきたんだけど、でもなんかレゲエミュージックが日本に入ってきて時間がたった今、見渡しててみると日本独自のレゲエミュージックも産まれてきているなって思うよね。
– レゲエアーティストは昔と比べて増えていますか?
全)全然多いよ!
T)昔なんてレゲエやってる全国のアーティストをみんな知ってた時代だから。レゲエミュージックの枠組みの中でやっているみんなが知り合いだし友達だったね。
C)それがパソコンが普及して、自宅で録音できてスタジオが手軽に作れるようになってきて、そのあたりの時代から若い世代が自分達で曲を制作して出すっていうスタイルができてアーティストが増えたよね。
前は限られたスタジオしかなくて、そこに集まって曲作ってってやってたから。
– インターネットの普及により自分発信ができる事で変化が起きてますね。
L)そうだね。音楽だけに限らずテレビの世界もアートの世界もそうだと思う。
J)そこを上手く使うと誰にでも可能性があるよ。
L)もちろん危険性がある部分もあると思うけど。
C)それこそ音楽も色んなジャンルが聴けてるしね。昔はレコード屋に行って何か新しい曲が出てないか探しに行って、たまにジャケ買いしたりやってたんだけど、それも今はパソコンさえあれば何でも聴けて見れる時代。その中でどうサバイブしていくか。
– 今と昔で聴かれる音楽は変わりました?
C)基本どんなジャンルの音楽も聴きますね。
T)小さい頃から色んな音楽聴いて育ってきているからね。歌謡曲も聴いたり、パンクやロック、ビルボードのトップ100とか見たり聴いたり…
C)ジャンルとかはあまり気にしたりはしないかな。良い物はいいって感じで。それぞれのジャンルで良いモノはあるからね。
T)レゲエミュージックも色んな音楽が混ざり合って1つの音楽ジャンルとして出来上がった音楽だから、俺らもそんなレゲエに魅力を感じて、がっつりはまった感じかな。
– ファイヤーボールの18年間で、ターニングポイントはどこでしょう
L)それはいっぱいあるね。
C)今もそうだし。ずっとターニングポイントかもしれない。
L)メンバーそれぞれとしては、子供が産まれた時が大きなターニングポイントでもあるよね。
T)言ってみれば、俺達はそれぞれの歩みをお互い見てきた関係だから、結婚だとか若い時の彼女だとか、全部お互い知ってるよ。小学校からみんな一緒だからね。
L)だからターニングポイントは多々あるよね。でも本当に今なのかもしれない。先日、大炎上ってイベントもやったし、昨年リリースしたアルバム『one』を出した後に現状を見つめ直す時間もあった。それからどうして行こうと模索しながら今がある。
T)さっき話してた音楽形態が変わってきている時代に差し掛かっているっていうのも事実だし、俺らにはすごい影響していることでもあるし。単純にSNSが使われることで様々な事が変わっていってるし、そこだけ見てもすごい今はターニングポイントだよね。
– 大炎上とはどんなイベントですか?
L)自分達で企画して立ち上げた対バンシリーズで、今回は10-FEETとファイヤーボールの2バンドでやったんですよ。それをシリーズ化して見せていくというのが大炎上ですね。
J)今までは音楽を作る作業だけをやってたんだけど、この1〜2年で自分達でイベントを手がけるようになって、イベント内容とあわせてゼロからどう面白いものを提供していくかってことを取り組んでる。
T)どうせやるなら自分達で面白いことやろうぜ!みたいな。本当に最初みんなで持っていた感覚がまたでてきたのかな。
C)やっと今、落ち着いて見つめ直すこともできてる。20代前半の時から、マイティークラウンファミリーも含め、がむしゃらに毎年アルバム作って、ライブやって、イベントやって、それを毎年こなしていた。
気づいたら1年終わっていたっていう感じが続いていて、それが今それぞれが本当にやりたいことってなんだろうな?って見つめ直せるようになっている。元もとの俺らのルーツは音楽が好きでレゲエが好きでそれを広めたいっていう気持ちだから、そこに戻ってきたのかな。
T)結局そこだよね。
J)音楽を追求していくことは変わらないよね。みんなすげぇ音楽バカだし(笑)
昔クラブで遊んでた人たちも子供ができたら夜遊びに出られないとかなるけど、それなら俺達が子供と一緒に遊びにいける場所や良い音楽とコンテツを提供していくとか本当にそういうのを創りあげれたら良いかな。
L)一言でいったら『面白いことやろうぜ!』っていうだけの気持ちかな。
C)今までもその気持ちでやってきているから、それをこれからも継続させるために一人ひとりのスキルも上げていかないといけないし、色んな事を話し合いながら最近は取り組んでいますよ。
– ファーストアルバムリリース当時と最新作の『one』でどのような変化を感じますか?
C)アルバム出すごとに成長しているよね。レベルが上がってる。
L)それは思う。
J)メンバーがいる分、歌詞を書き上がった時に『こっちの表現が良いんじゃない?』とかアドバイスくれたりするから良い物ができる。
C)1作目はいきなりメジャーデビューが決まって、そこからファイヤーボールを創りあげた感じ。まだその時は2〜3曲しかないみたいな。
T)曲って言えるほどでもなかったしね。
L)例えるなら、長く続いている漫画みたいな感じだよね。
T)まだキャラクターも絵も決まってないみたな感じだったよね(笑)
– 横浜のレゲエシーンと地方のレゲエシーンでの違いはありますか
C)全然違うなって思う地域は大阪かな。大阪は凄い若手が多く出てきている。新しいジェネレーションのサウンドや歌い手が出てきている。大阪は独特な感じがする。
L)大阪はヒーローが出てきてる。
T)アイコン的な存在かな。若い子達が追いかける人気者みたいな。
C)地方地方それぞれシーンが育ってきているから、レゲエシーン全体で見ても大きくなってきてるから、それでみんなが潤ってリンクしていくって流れができてきている。
L)若い世代では俺らを知らない人たちもいる。レゲエ聴いてるけどファイヤーボールは知らないみたいな。そんな世代が出てきているからこそ、その世代に向けて新たに見せるやり方をするっていうね。
– それでは最後に佐賀のファンのみなさんにメッセージをお願いします。
C)ファイヤーボールはこれからも活動していきますのでライブにこれない人もCDやパソコンで聴いて、気に入ってくれたらライブに遊びに来て下さい。
T)佐賀、九州は第2の故郷として思っていますし、俺らの音楽を生で体感してもらいたいし、住んでいる町に俺らがライブをしにやってきたら、ぜひライブを見に来て下さい。
J)佐賀に呼んでもらえているチャンスをしっかり物にしたい気持ちと、大学生が楽しんでいるって聞いているので、大学生のサークルイベントにも呼んでください(笑)
L)みんな言ってくれた通りですけど、新しい2枚組アルバム『FIRE BALL All Time Best』も出ます。内容は一枚がファンが選んだ1枚で、もう1枚は俺達が選曲した楽曲となっています。まだ俺らの曲を聴いたことない人や聴いたことがある人も楽しめる内容となっているのでぜひ聴いて下さい。
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▼FIRE BALL All Time Best“WHITE ~People’s Choice~”
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