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九州・沖縄・山口のJリーグ 2016年注目の近県対決② ギラヴァンツ北九州vsレノファ山口FC

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2016年、九州・沖縄・山口地域で行われる明治安田生命Jリーグは、新たに2チームが加わり、全部で9チームのホームゲームが開催されます。

各クラブの所属リーグはこちら!

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明治安田生命J1リーグ 全18チーム

  • サガン鳥栖(J1 年間11位)
  • アビスパ福岡(J2 3位)

明治安田生命J2リーグ 全22チーム

  • V・ファーレン長崎(J2 6位)
  • ギラヴァンツ北九州(J2 7位)
  • ロアッソ熊本(J2 13位)
  • レノファ山口(J3 優勝)

明治安田生命J3リーグ 全16チーム

  • 大分トリニータ(J2 21位)
  • FC琉球(J3 9位)
  • 鹿児島ユナイテッドFC(JFL 年間4位)

※()内は昨シーズンの成績

Jリーグでは毎年、昇格と降格の悲喜こもごもがありますが、昨シーズンはアビスパ福岡がJ2からJ1に、レノファ山口がJ3からJ2に、そして鹿児島ユナイテッドFCがJFLからJ3にと、それぞれ昇格。しかしながら、大分トリニータがJ3に降格となりました。

その結果、今シーズンは楽しみな近県対決が実現!

  • サガン鳥栖 vs アビスパ福岡
  • ギラヴァンツ北九州 vs レノファ山口
  • 大分トリニータ vs 鹿児島ユナイテッドFC
  • FC琉球 vs 鹿児島ユナイテッドFC

今回は、関門海峡を挟んだ福岡県北九州市をホームとする「ギラヴァンツ北九州」と、山口県をホームとする「レノファ山口FC」の対戦について、です!

平家と源氏による「壇ノ浦の戦い」、宮本武蔵と佐々木小次郎の「巌流島の決闘」、幕末に勃発した「下関戦争」…。歴史上数々の戦いの舞台となってきた関門海峡で、新たな戦いの歴史が始まろうとしているのです!

来る3月6日日曜日。本城陸上競技場での初決戦を前に、サッカーにあまり詳しくない人のために観戦がちょっぴり面白くなる予備知識をお教えしたいと思います。

▲ギラヴァンツ北九州イレブン

▲レノファ山口FCイレブン(アウェイユニフォーム着用)

年々力をつけるギラヴァンツ。スタジアム問題解消で一気に昇格を狙う

ギラヴァンツ北九州は、2010年にJリーグに参入しましたが、まだJ1に昇格したことがありません。と、いうよりも昇格を認められていなかったのです。なぜならそれは、Jリーグが定めるクラブライセンス制度で、J1参加クラブの条件を満たしていなかったから。

その条件とは、スタジアムの収容人数。J1に昇格するには1万5千人以上収容できるスタジアムを用意しなければなりません(J2は1万人以上)。ギラヴァンツが使用する北九州市立本城陸上競技場(八幡西区)のキャパシティは1万200人しかなく、たとえJ2で優勝したとしても昇格できないという状況でした。実際、2014年シーズンのリーグ戦でギラヴァンツは5位に。本来なら「J1昇格プレーオフ」に参加できる順位でしたが、不参加となりました。

しかし、これから始まる2016年シーズン。小倉北区に建設中の「北九州スタジアム(収容人数:1万5千人)」が来年3月完成予定であるため、2位以上もしくはJ1昇格プレーオフで優勝すれば、最速で来シーズンからJ1クラブとなれるのです!

▲小倉駅から徒歩およそ15分という好立地に建設中の北九州スタジアム。

今年の昇格に照準を合わせてチームづくり

新スタジアムが建設されることが正式に決まったのが2014年。そこでクラブは、スタジアムが完成する2017年からJ1に上がることを目指し、チーム作りを始めました。

どれだけ頑張ってもJ1に昇格できないことは、クラブとしてマイナスな要素ですが、発想を変えれば昇格可能になるまでじっくりとチームの基盤を作れるというメリットがあります。これがギラヴァンツにとって不幸中の幸いに。ギラヴァンツは潤沢な強化資金があるわけではなく、選手を育てるしか強くなる方法はありません。現にJリーグで結果を残しているクラブは、 大物選手を獲得できる金持ちクラブではなく、コンセプトに沿ったチーム作りに努めているクラブばかり。ギラヴァンツは2017年までの3シーズンをJ1にレベルのクラブになるための準備期間と捉え、安定して結果を残せるチームを作るべく、基盤を整えてきました。

毎年のように昇格を目標にするも、叶わず監督交代を繰り返すクラブが多いなか、中長期的な視野でチーム作りせざるを得ない境遇が、着実なステップアップにつながっていると言えます。

ギラヴァンツ北九州のシーズン別成績
  • 2010年 19位(全19チーム中)
  • 2011年 8位(全20チーム中)
  • 2012年 9位(以降全22チーム)
  • 2013年 16位
  • 2014年 5位
  • 2015年 7位

ギラヴァンツの戦い方は?

ギラヴァンツの柱谷幸一監督は、2013年からチームの指揮を執り今年で4シーズン目。「昇格できないクラブ」に所属する選手のモチベーションをうまく維持しつつ、就任当初からのチームスタイルを貫きながらチーム力アップを実現しています。

現役時代は日産自動車、浦和レッズ、柏レイソルでプレーし、引退後はモンテディオ山形、京都サンガ、栃木SCの監督を歴任。2009には浦和レッズのゼネラルマネージャーに就任し、監督よりも上の立場でチーム戦略を考える役務を経験。こうした経歴を持つ柱谷監督は、2017年以降の昇格を目指すギラヴァンツにとってピッタリな存在だったのです。

▲浦和レッズ時代の柱谷監督(右)

柱谷監督が作るチームの特徴は、試合終了のホイッスルが鳴るまで全ての選手が高いパフォーマンスを発揮すること。つまり、高い集中力を維持してそれぞれが自分の役割を全うする。その結果、劣勢でも同点に追いついたり、終盤で逆転するしぶとさを生み、勝ち点(※)を積み重ねています。

※勝ち点とは、試合結果に準じて与えられるポイント。勝ち=3点、引き分け=1点、負け=0点。リーグ戦の順位はこのポイントの多さで決まる。

点が入りにくいサッカーでは、他のスポーツよりも1点の重みが大きく、一瞬の気の緩みが敗戦につながる恐さがあります。その点、ギラヴァンツはチーム内の規律をはっきりさせ、選手全員がチームのためにハードワークできる強みを持っています。

不用意なファールをしないこともギラヴァンツの特徴で、フリーキックなどの失点機会を減らすことにつながっています。また、クリーンに戦うことで北九州市のイメージアップを図るという監督の狙いも、2014年から2シーズン連続でフェアプレー賞受賞という形で表れています。

J3参入1年目で優勝したレノファ山口FC

yamaguchi_supporter

レノファ山口FCは、昨シーズンJ3リーグに初参加し、たった1年で優勝しJ2昇格を決めるという偉業を成し遂げたクラブです。幕末の志士たちゆかりの長州のクラブらしく、日本サッカー界に維新(renovation)を起こしそうな勢いがあります。

レノファ山口の「RENOFA」は、そのrenovationとfight(戦う)とfine(元気)の「ファ」を組み合わせて出来た名前だそうです。

2006年にJリーグ参入を目指すクラブとして立ち上げられ、10年目にしてついに日本最高リーグの一歩手前までたどり着きました!

J2参戦を前にマスコット誕生!

J1、J2のほぼ全てのクラブにはマスコットがあり、クラブの人気に一役買っています。

これまでレノファにはマスコットがいませんでしたが、J2参戦を前についに誕生しました!

J3を席巻した攻撃力は通用するか!?

レノファといえば、パスを繋ぐスタイルで相手ゴールに襲いかかる攻撃力が特徴。昨シーズンは96ゴールを記録しました。

この数字は、2番目に多く得点したSC相模原より37点も多く、1試合平均およそ2.7点という驚異的な得点力を物語っています!

得点ランキングも1位から3位までをレノファの選手が独占!得点王に輝いた岸田和人選手(背番号9)にいたっては、34試合に出場して32ゴールと、ほぼ毎試合得点している計算になります。

この攻撃力がJ2でどこまで通用するか、注目です!!

山口方面からはツアーバスも!

関門海峡をはさんだダービーマッチは以下の日程で開催されます!

明治安田生命J2リーグ 第2節
ギラヴァンツ北九州 vs レノファ山口FC

日時:2016年3月6日(日)15:30キックオフ
場所:北九州市立本城陸上競技場 チケット:大人1,500円〜/小中高生800円〜 (B・C席ホーム側は無料)

明治安田生命J2リーグ 第22節
レノファ山口FC vs ギラヴァンツ北九州

日時:2016年7月10日(日)18:00キックオフ
場所:維新百年記念公園陸上競技場
チケット:大人1,500円〜/小中高生1,000円〜

3月6日の開催については、山口方面からの応援バスツアーも企画されている模様です。

ギラヴァンツは来年から新スタジアムを使用するので、本城でのダービーは最初で最後!

北九州と山口による戦いの歴史の始まりを、ぜひスタジアムで!

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