モアリズム:ナカムラ – 聴き手が求めていた録り方ではなかった
4月30日、佐賀市松原のロレッタでモアリズムのライブが開催されました。
普段はダイニングバーとして営業する店内が、この日はモアリズムの音楽で満たされました。今回は、モアリズムのボーカル兼ギタリストを務めるナカムラさんに、話を聞いてきました。– 4枚目のアルバムリリースおめでとうございます。今回のアルバムはどのような内容になっているのでしょうか?
今回のアルバムは内容と言うよりも大きな特徴があって、音の塊感を出したく全体をモノラルで録音しています。
– なぜモノラルにこだわったのですか?
モノラルレコーディングは、以前からやってみたかった事でもあるんです。昔は音楽を聴くときはレコードだったんですが、今はデジタル化してデータで聴けますよね。それはレコードからCDに移り変わった時に、音が薄っぺらく感じてきたんですよ。
何かトゲトゲした感じに聴こえてしまうというか… なので、原始的ですがモノラルで音の塊を表現したくやりました。
– たしかにレコードの方が音に塊がある感じがしますね。
そうなんですよ。レコードの時は音にが塊(かたまり)があり、暖かみがあったんです。時代の進化とともに録音の方法も変わり、情報の羅列みたいに音の羅列になっている気がするんですね。それは聴き手が求めていた録り方ではなく、録る側の都合で変わっていった結果なんじゃないのかなと。
– アルバムの聴きどころなどを教えて下さい。
曲作りの際にリズムと言語にこだわっているので、そこを聴いてもらいたいです。
それとアルバムの中の曲でカラスヘビという曲があるんですが、その曲は僕の出身でもある熊本の菊陽弁(きくようべん)で1曲作っています。
それがどのくらいの人達が理解してくれるか楽しみにもしています。
– 今回の『昨日のような明日』というアルバムタイトルですが、どのような意味や思いがあるのでしょうか
タイトル曲の『昨日のような明日』をそのままアルバムタイトルに採用しました。
前向きな言葉が多い現代に、ちょっと後ろめたい言葉のタイトルでもいいのかなと。
– 3枚目のアルバム「& BLUES」をリリースしてから、今回のアルバムまで約1年間ありましたが、その間何か変化などはありましたか?
ドラマーが変わりました。ドラムの役割はバンドの中では駆動的な役割ですからそこが変わるとバンドの色もガラッと変わってしまうんです。でも今回加入したドラマーは昔からの知り合いでもあり、僕たちの事も分かってくれてたので違和感はほとんどないです。それでちょうどバンドが良い状態になってきたので今回のアルバムを制作しました。
– では最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。
これからはモノラルがきます。
それと応援よろしくお願いします。
EDIT:YOSHIDA
プロフィール
2007年結成。東京郊外国立市を拠点とし、全国を放浪しつづける日本語リズム&ブルースの決定版!
西川美和監督の映画[ディア・ドクター/主演:笑福亭鶴瓶・瑛太]-[夢売るふたり/主演:松たか子・阿部サダヲ]ではすべての音楽を手掛け、そのオリジナル・サウンドトラックでも注目を集めるモアリズム。主に作詞作曲を担当するナカムラは、現在では珍しくなくなった日本語詞とルーツ系ブラック・ミュージックとの融合における先駆者的存在。
そのフィールドは、野外Fes、LiveHouse、BAR、Cafe、病院、倉庫、幼稚園、ひとんち、と時も場所も選ばない。