INTERVIEW:佐賀ポータル – 想像もつかないくらい面白いネタが無造作に転がっていた

佐賀

佐賀ポータルというWEBマガジンをご存知ですか!?
わたしたちクリップ佐賀編集部が愛読しているWEBマガジンが「佐賀ポータル」さんなんです。

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▼佐賀ポータル
http://saga-port.com/

佐賀の定番名所はもちろん、歴史を感じるアレコレや、街で見かけたささいなことまで、実際に足を運んで取材し紹介するWEBマガジンなんです。クリップ佐賀も同じWEBマガジンでありながら、その情報量や姿勢と佐賀愛の点で「ベストオブWEBマガジン in 佐賀」の称号を与えたいくらいステキなサイトなんです。

まずはお気に入りの記事をいくつか紹介します。

▼佐賀市内「松原神社」門前の雰囲気が大好きなんですよ、何度行ってもいい場所です。

「新馬場通り」佐賀松原神社門前のレトロでカオスな世界・・・いい味だしてます。


お馴染みの風景もよくみると魅力いっぱい


▼佐賀最大級の山城跡「勢福寺城」は見どころ多すぎ!全4ページになっちゃいました。

佐賀最大級の山城跡「勢福寺城」は見どころ多すぎ!全4ページになっちゃいました。


佐賀の歴史愛が強くて4ページにわたる大スペクタクル記事!私たちも歴史好きだったのですが、もうレベルが違います。


▼「鳥栖駅」で名物【かしわうどん】ランチ!明治時代のレールで出来た駅はレトロな雰囲気満点です。

「鳥栖駅」で名物【かしわうどん】ランチ!明治時代のレールで出来た駅はレトロな雰囲気満点です。


▼佐賀の街なかウマい!と噂の「ぎょうざ屋」がとっても美味しかったんです。

佐賀の街なかウマい!と噂の「ぎょうざ屋」がとっても美味しかったんです。


食レポはおしゃれなカフェだけじゃないんです!みんなお馴染みのあのうどんや餃子まで!


▼佐賀の街中で「ピンキースカイ」という佐賀のご当地アイドルが木6(もくむつ)ライブという無料ライブをやっていました。

「ピンキースカイ木6(もくむつ)ライブ」佐賀のご当地アイドル定期無料ライブは熱かった


みんな知っているようで知られていないご当地アイドルの現場


 
 
などなど、その数1000件以上の記事が佐賀を語ります。
いったいどんな人が書いてるの?という疑問を解決すべく、運営者の岸谷さんにお話を伺ってきました。

INTERVIEW

佐賀ポータル

「店屋町ビル」戦後の面影を色濃く残す福岡市内で最も古い鉄筋コンクリートのアパート|より

– 佐賀ポータルをはじめたきっかけを教えてください。

佐賀の情報を、出来る限り全部のせる事

岸谷さん:佐賀ポータルは、佐賀の事を事前に調べようとネットで情報を検索しても総合的に情報を扱っているサイトが無く、とても苦労したことから「無いなら自分で作ろう」という軽い気持ちからスタートしました。サイトのタイトル通り「佐賀のポータルサイト」を作ろうと思ったんですね。

なので、最初スタートした時のコンセプトは「佐賀の情報を、出来る限り全部のせる事。」
佐賀の観光、イベント、エンタメ、グルメなどの情報を扱う総合情報サイトを目指していました。

– 個人で情報を集められたんですね。

はい。しかしながら、実際にやってみると本当に情報を集めるのが大変。イベント情報の画像を勝手に引用して、読者の方から指摘されたりもしました。普段は非正規のフルタイム労働者ですから、朝から出勤して夜は10時か11時に帰宅、疲れてるときは更新をサボってしまったり。サービス業なので土日は休めず、大きなイベントがあっても行けない。結果、レポート記事も書けない。こりゃ無理だと早々に断念しました。

吉野ヶ里「日吉城跡」卑弥呼の墓という説もある日吉神社

吉野ヶ里「日吉城跡」卑弥呼の墓という説もある日吉神社|より

楽しい事って人に伝えたくなる

そこで方針を変え、私が面白いと思った佐賀の情報を記事として投稿していく事にしました。

「佐賀を自分が楽しむ」

楽しい事って人に伝えたくなるじゃないですか、伝えるための場所がこの佐賀ポータル。思った以上に見てくれてる人が多くて、SNSで拡散してくれる人もいます。

– シェアされると励みになりますね

そしたら「もっと面白い所を探して楽しまなきゃ」って思ってしまう。

そうやって佐賀の面白そうな場所を探して、どんどん深みにはまっていく。まだまだ行きたいところが山ほどあるし、面白い事が沢山あります。今はとにかく時間が足りない。

未経験・自己資金なしで新規就農!「ジャガイモのマルチ栽培」芽が出始めました。

未経験・自己資金なしで新規就農!「ジャガイモのマルチ栽培」芽が出始めました。|より

目標は情報発信だけではなくリアルな活動と連動させていくこと

将来の目標は、ネットによる情報発信だけではなくリアルな活動と連動させていくこと。いま現在準備している事は、マルシェイベントへの出店。今年から農業を始めたので、自分や知人が育てた野菜を直接販売しようと考えています。
福岡ではほぼ毎週のようにどこかでマルシェが開催されています。そこへ野菜を持って出店するのですが、その際に佐賀の特産品や老舗メーカーの商品を一緒に取り扱いたいと思っています。まだ具体的にはマルシェに出店すること以外、何も決まっていないのですが・・・

– いつごろからスタートする予定ですか?

2017年夏頃から試験的にマルシェへ出店し、そこで何が出来るかを考え、出来る事が見えたら企画として発信して協力していただける方を探すつもりです。

また、福岡市内は賃料の安いテナントが沢山あるので、いずれショップを構えて「佐賀ポータル リアルサイト」として運営したい。佐賀の特産品、佐賀の情報。これは佐賀じゃないのですが、自分の副業から始めた農業の取り組み。そこから田舎暮らし、佐賀への移住促進。土でできた戦国の城を巡る人も増えているので、城マニア向けの情報発信なんかもありですかね・・・とにかく、あれもこれもごちゃまぜにして、ネットと店舗を連動させて活動したい。

店を持つのは、まあ先の話というか夢ですが・・・とにかく今は特産品のレビュー記事を書いたり、魅力的な店や会社を紹介する記事を書いたり、佐賀の特産品を使ったレシピをアップしたりといったスポット情報以外の記事を増やそうと思っています。

やりたいけど手を付けられていない事はまだまだ山ほどあります。とにかく夢は大きく、やる事はセコく。出来る事から、少しずつ広げていきたいと思っています。

「佐賀川上峡合戦」龍造寺隆信vs神代勝利の最終決戦!因縁の対決が遂に決着

「佐賀川上峡合戦」龍造寺隆信vs神代勝利の最終決戦!因縁の対決が遂に決着|より

お金が無くても楽しめる!

– 取材を通して、佐賀の見え方ってかわりましたか?

サイトを運営する前は、佐賀はのどかな田舎くらいしか思っていませんでした。地域活性化に興味があったので、サイトを通じてなにか佐賀との繋がりを作って仕事に出来ないかと考えていたんです。佐賀の人には失礼ですが、サイトは名刺代わりくらいのつもりでした。

しかし、実際に佐賀へ行ってみると、そこには想像もつかないくらい面白いネタが無造作に転がっていたんです。転がってるという表現は不適切かもしれませんが、本当にどこにでもある。

例えば城跡、安土桃山時代から主流になった立派な石垣や天守のある城ではなく戦闘に特化した戦国の山城や、佐賀独特のクリークを利用した平城がしっかりと残っていて、生々しく当時の様子を語ってくれます。そして、龍造寺隆信の生涯と群雄割拠のドラマチックなストーリー。

昨年NHKの大河ドラマで真田幸村を中心に真田一族が注目されましたが、そんなの餓鬼の遊びと笑ってしまえるくらい、とんでもなく凄い事をやっているんです隆信さん。そして、所縁の地が各地に残り、その歴史の痕跡が今も形を留めている。

「船津製麺所」神埼そうめんの超老舗!360年以上の歴史と伝統を訪ねて神埼宿へ。

「船津製麺所」神埼そうめんの超老舗!360年以上の歴史と伝統を訪ねて神埼宿へ。|より

また、佐賀には創業数百年という企業がいまも当たり前のように営業しています。例えば旧長崎街道沿いの神崎宿、老舗素麺メーカーがあります。佐賀には飴屋さん、飴型なんて初めて買いました。伊之助製麺の「生ちゃんぽん」は本当に美味しかった。半生うどんも激うまで、佐賀に行った時によく買って帰ります。佐賀ポータルでも力を入れて特集していきたい分野です。

こういったものは大分や長崎、鹿児島など九州の他県にもあると思うのですが、佐賀が特別なのは都市部である福岡市からの距離。ドライブがてら、気軽に遊びに行ける距離です。そして、お金が無くても楽しめる。貧乏人の私にはとても重要!

ほんと、佐賀はいい場所なんです。

「新馬場通り」佐賀松原神社門前のレトロでカオスな世界・・・いい味だしてます。

「新馬場通り」佐賀松原神社門前のレトロでカオスな世界・・・いい味だしてます。|より

かつての賑わいを感じさせる場所で、まさに寂びの風景

– 佐賀でお気に入りの場所はどこですか?

佐賀で一番好きな場所は、松原神社鳥居の前
初めて佐賀を訪れた際、あの風景を見て「佐賀をもっと知りたい」と思いました。

– 記事もたくさん書かれてますね

もうね、最高にいい雰囲気なんですよ。閉店してしまった店がそのまんま、どこかあか抜けない少し寂れた風景。しかし、かつての賑わいを感じさせる場所で、まさに寂びの風景。新馬場通りや、松原神社前の大きな鳥居から呉服元町656広場へ抜けていく通りは大好き。佐賀ポータルがここまで続いているのも、あの風景を見たからなんです。

「杵島炭鉱鉄道隊道(トンネル)跡」佐賀大町に炭鉱の遺構が残っていました!

「杵島炭鉱鉄道隊道(トンネル)跡」佐賀大町に炭鉱の遺構が残っていました!|より

– 普段馴染みの風景も、あらためて見ると魅力たっぷりでした。

ほかには、大町町関連の記事でしょうか。炭鉱の遺構から炭鉱住宅が今も立ち並ぶ住宅地。とってもレトロなショッピングセンター。地元の人に聞いたら「全部埋めたからトンネルは残ってない」といわれ、不安になりながらもトンネルの入り口を発見しました。見つけたときは感動しましたね。とっても思い出深い記事です。

▼大町町関連記事
http://saga-port.com/?s=%E5%A4%A7%E7%94%BA%E7%94%BA

佐賀は城跡で面白くなる!佐賀県さん中世城館資料があるみたいですね

佐賀は城跡で面白くなる!佐賀県さん中世城館資料があるみたいですね|より

古代から現代まで全部あります

– これだけ佐賀を周られたら、「佐賀マスター」も近いと思いますが、ズバリ佐賀の魅力はどこだと思いますか?

佐賀の魅力は、ズバリ「歴史の連続性を感じる事が出来る場所」ということ。

私は福岡市に住んでいますから、福岡市内で古い町といえば博多を連想します。しかし、博多に歴史はありますが、古い物をほとんど壊してしまって歴史を感じる場所がありません。それこそ、寺社くらいのもの。100年以上続く老舗もほとんどありません。

しかし、佐賀には歴史を感じる遺構が数多く残っていて、資料に残っているストーリーを追体験することが出来ます。勢福寺城攻めの際に龍造寺隆信が本陣を置いた姉川城、建物はありませんが城跡は見事にその姿を留めています。姉川城跡に立って勢福寺城の方角を見れば、それはまさに龍造寺隆信が見た風景。そんな場所がたくさん残っているんです。

吉野ヶ里の弥生時代から、金立町の古墳群が古墳時代。中世の城郭が物語る鎌倉、室町から戦国時代。嬉野には忍者もいます。さらに伊万里の大川内山、旧長崎街道の江戸時代。佐賀市歴史民俗館、佐賀の乱の朝日山が明治・大正時代。そして、佐賀市内に残る昭和レトロな風景。ほんと古代から現代まで全部あります。

他にもあるんですけどね、ズバリ!と聞かれると一番は歴史です。

佐賀県の人口減少対策「衰退の現実を受け止め、最悪を覚悟する事から全てが始まる」と思うんだけど。

佐賀県の人口減少対策「衰退の現実を受け止め、最悪を覚悟する事から全てが始まる」と思うんだけど。|より

佐賀の人たちの取り組みや、地元の思いなどを汲み取った記事を書いていきたい

– これから佐賀ポータルはどんなサイトになっていきますか?

もっと佐賀の人たちと連携出来たら面白いというか、私が喜びます。結局のところ、佐賀ポータルは個人ブログ。しょせん余所者が勝手に趣味で運営しているサイトです。

余所者の視点で書かれた記事は、それはそれで価値があるのかもしれません。しかし、やはり佐賀の人たちとのリアルな接点が無いと片手落ちといいますか、どうしても物足りない部分があるんです。私の趣味全開の記事がほとんどですし。

今後はもっと話題の間口を広げて、佐賀の人たちの取り組みや、地元の思いなどを汲み取った記事を書いていきたいと思っています。また、佐賀の人が佐賀ポータルに参加して記事を書いてくれたら、さらに面白くなるんじゃないでしょうか。原稿料は払えないので、ボランティアになっちゃいますけど。何か伝えたいことがあれば、佐賀ポータルを利用してもらえればいいと思っています。

そのためには、人と会わなきゃ始まらない。今以上に佐賀を訪れる必要があると思うし、イベントなどへも参加していきたいですね。

そして、最後はやっぱり「佐賀ポータル リアルサイト」ですよ。

佐賀の魅力をウェブサイトで伝え、リアルサイト店舗で顔を合わて繋がりを作り、佐賀の物を買ってもらう。そうすれば、もっと佐賀との繋がりが強くなります。人と繋がる事ができれば、今以上に佐賀が面白くなるんじゃないかと・・・完全に自分都合ですが。

そのためには最大の障害が・・・私は人見知りで、人づきあいが苦手なんです。
私の人見知りが治れば、きっと佐賀ポータルは今以上に面白くなります。間違いない。



編集後記

すでに1000件以上の記事がアーカイブされている「佐賀ポータル」さんは「無いなら自分でつくってしまえ!」というDIY精神溢れる岸谷さんの佐賀愛そのもの。

ときに鋭い切り口でバッサリ斬る記事や、失敗も含めて農業へのチャレンジを語る記事も、人の表情がみえる佐賀ポータルの魅力だと思います。たまに毒吐くSNSも(クリップ佐賀編集部のおきにいり)も、妙に的を得ていて私たちのお気に入りです。

佐賀ポータルと繋がりたいかたは、ぜひ下記公式アカウントもどうぞ

▼facebookページ
https://www.facebook.com/sagaportal/
▼Twitter
https://twitter.com/SagaPortal

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