INTERVIEW:DRUM TAO 原﨑太郎 – 一歩踏み出すことができれば人生を変えることすらできる

音楽

世界をまたに駆け魅了しているエンターテイメント集団DRUM TAO(ドラム タオ)。

その中で、”歌舞伎”キャラクターとして、DRUM TAOの一角を担う佐賀県出身の原﨑太郎さん。

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5月10日の佐賀公演を控え、プレイヤーのみならず、語学を活かして海外担当スタッフとしても活躍する原﨑さんにお話を聞いてきました。

ここは自分がやりたいこと全てが揃っている!

– DRUM TAO に入団された経緯を教えてください。

原﨑)大学を卒業した後、海外へ1年半ほど行っていた時、海外の人たちと接する時に『日本といえばこれだよね?』っていう会話の中で自動車メーカーやハイテク技術みたいなことを言われてたんだけど、それとは別にもっと日本の伝統文化など海外へ向けて知らせるべき一面もあるんじゃないかと思っていました。

日本に帰ったら別の仕事を考えていたんだけど、日本の素晴らしさを発信する仕事もやってみたいなっていう気持ちがどこかにある中で、なんとなく仕事を探し内定をもらったりしてたんだけど何か自分の中でピンとこない状態で、そんな中ちょうどテレビを見ている時にDRUM TAOのCMが流れてそこで初めてTAOの存在を知ったんですよ。そこからTAOに入団しました。

– いつごろDRUM TAOのCMを見られたんですか?

原﨑)2004年の10月頃ですね。12月に佐賀公演があるというCMでした。

音楽が好きで中高とバンドをやっていた時期もあり、TAOの和太鼓に面白さを感じましたね。それに加え日本の伝統文化を取り入れていることに興味を持ち、気づけばインターネットでTAOを調べていました。

TAOの事を調べているうちにどんどん興味を持ち始めている自分がいて、しかもこの2004年からTAOは世界に進出して行くという事が書いてあり、これは面白そうだなと…
音楽もあり日本の伝統文化、伝統芸能もあって自分が話せる語学を活かすこともできるんじゃないかなと思いましたね。
『これは自分がやりたいこと全てが揃っている!』そんな感じでしたね。

でもまだTAOを見たことなかったので、まずは佐賀公演を見に行くことにしました。

DRUM TAO

そんなに興味があるなら、履歴書を送ってみれば?

– その佐賀公演を見られてDRUM TAOに入団することになったんですね?

原﨑)それが違うんですよ。実は佐賀公演を見に行く前にTAOに入団していました(笑)

10月の末頃ですかね。佐賀の居酒屋で友達と飲んでいた時、僕達の隣の席でTAOのリーダー水藤とその支援者の方々が食事をされていて、支援者の方から僕らの席に『DRUM TAOって知ってる?』と話を振っていただき、僕は当然調べていたので知ってますとお答えし、でも一緒にいた友達はまだ知らず「DRUM TAOって何?」みたいなことから会話が弾み、その時にリーダーの水藤に実はTAOに興味があることを打ち明け色々と話をしてると、水藤より『そんなにTAOに興味があるのなら履歴書を送ってみれば?』と言われたのですぐに送りました。

それからオーディションを兼ねた実技、面接試験もあってなんと合格し、佐賀公演を見る前にDRUM TAOに入団してしまっていたんです。でもリーダーの水藤からその当時の話を聞くと、ちょうどTAOがこれから世界に進出して行く時だから英語が喋れる男のマネージャーが必要だから、英語を話せるならマネージャーとしてどうか、それで履歴書を送ってみたらと言ったみたいですけど(笑)

– それは凄いですね!

原﨑)僕も凄いと思います。本当にすごい巡り会わせですよね。

DRUM TAO

DRUM TAOのメンバーであることに感謝

– 原﨑さんの入団当時とどのような変化がありますか?

原﨑)僕が入団した時は、たしかメンバーは15人程度だった気がします。まだ全国公演などもなく、入団希望者も九州内が多くて。今では全国から入団希望者がきますね。

– 太鼓未経験の原﨑さんが入団されて初舞台でステージに立つまではどれくらいの期間がありましたか?

原﨑)そうですねぇ…約1年弱だった気がします。その時は1曲だけステージに立たせてもらいました。
でも、まだ人前に立てるレベルに達していないと判断され、次の公演からはメンバーから外されました。

– DRUM TAOに入団し10年経たれますが、この10年間を振り返ってどんな印象ですか?

原﨑)いやぁ…早かったですねぇ。あっという間の10年です。気持ちは入団した時の25歳のままですが(笑)

– では10年間TAOのメンバーとして活動されて何か大きく変わったものなどはありますか?

原﨑)モノを見る目や人との巡り会い、モノを見る基準が変わったと感じます。この仕事をしているからこそ出会える人など、通常会えないような人と出会えることが沢山あり、そんな人の話を間近で聞いたりしてると、この仕事は人の繋がりを作ってくれていると感じるし、この仕事を通して人と人の繋がりを感じる。

TAOに入れてなかったら絶対にこんなに色々な経験はしていない。本当にTAOのメンバーであることに感謝しています。

海外に出て初めて日本を知ることが。

– DRUM TAOは世界各地で公演されていますが、海外との違いはありますか?

原﨑)お客さんの反応する場所が日本と世界では違いますね。

日本では盛り上がらないとかそういうのではなく、海外の方は会話をする時にジェスチャーを交えながら会話しますよね。なので反応の仕方がより大きく感じます。日本ではこの演出の時はこんな反応がもらえたけど、海外ではまったく反応がないとか。それとは逆になんでこの時に拍手がもらえるんだろうとか… 海外公演に行く前に必ず順応させるように手直しをしています。

– その中でも思い出深い国などはありますか?

原﨑)どの国も思い出深いですけど、唯一挙げるとすればイスラエルですかね。
あの国は凄かったです。僕が入団して2,3年後に行ったと思います。まだ当時は内戦とかあって危険な時期。しかも3大宗教の聖地エルサレムで公演できて、もの凄い刺激を受けましたね。今まで僕が生きていた文化と、違う文化で生きている人たちを目の当たりにしたことは、凄い経験だし僕自身の財産になりました。
大学を卒業して海外を廻り、海外に対してはある程度免疫があったつもりだったんですけどイスラエルは本当に面白かったです。

また、海外に出て初めて日本を知ることが沢山あります。

DRUM TAO

ショーはやってるんだけど停電だからステージは真っ暗で何も見えない

海外で知り合う方から日本の文化や歴史、政治の事だとか色んな事を聞かれ、その時に知らないことが多いなって感じたりしていました。なんとなく学校で習った歴史なんかは知っているけど、いざ深く突っ込まれて聞かれると答えられないとか… 海外の人は自分の住んでいる町のこととかも詳しく知っている。そんな経験をし日本のことについて勉強をしましたね。

– アクシデントが発生することも?

原﨑)それは沢山ありますね。例えばオーストラリア公演の時、会場の外で事故がありその事故で会場辺りの地域が全部停電になって、TAOのショーはやってるんだけど停電だからステージは真っ暗で何も見えない中、音だけが響いてる状態。その演目がおわり舞台袖にはけて電気が復旧するまで待ってまた再開するみたいな。色んなアクシデントがありますよ。何が起こるかわからない。それも面白さの一つですね。

しかも日本の常識がまったく通じないのでびっくりですよ(笑)

本当に衝撃的なくらい、今までのDRUM TAOとはまったく別物もの

– 原﨑さんが思われるDRUM TAOとは

原﨑)とりあえず面白い。

和太鼓という伝統楽器を中心に笛、三味線、琴などを使ってショーを組み立てているんですが、それだけではなく色んな海外の楽器やサウンドを取り入れTAOのオリジナル音楽にしている。伝統楽器を使っているんだけどやっていることはまったく伝統的ではない部分もあったり、常にに新しいことを取り入れ進化している。

ステージ衣装にしても昔はハッピにふんどしが衣装だったのが今ではコシノジュンコさんが手がける衣装になってどんどん変わっていってますね。TAOは和太鼓のコンサートを創っているのではなく、和太鼓のエンターテインメントショーを創っている。TAOは唯一無二だと思いますよ。他にも和太鼓グループもあるんですがまったく別物だと思ってもらっていい。
一線を画した独自のジャンルだと思っています。

– 今回、構成演出に宮本亜門さんの名前がありますが、公演ごとに演出家が変わるのでしょうか

原﨑)基本的に構成演出含め全てをTAOの内部で作りあげています。今回TAOが始まって以来、初めて外部からを演出家を招き入れました。

– 外部の演出家を招き入れると違うものですか?

原﨑)ビックリするくらい違いますね。今までとはまったく違うので稽古をしていても凄く楽しい!
今までにないステージ構成や芸術性、照明一つをとっても、本当に衝撃的なくらい今までのTAOとはまったく別物ものになっていますね。
これまでTAOを見たことある人もこんなTAOは見たことないと絶対に言われると思う。

– それでは、原﨑さんのようにエンターテイメントの世界で活躍を目指す若者にアドバイスをお願いします。

原﨑)そうですね…怖がらずにチャレンジすること。
やりたいと思っていることがあれば何も考えず、恐れず、躊躇せずにやる。

チャレンジせずに後悔するのであれば、チャレンジしてから考えた方がいい。それができるかできないかだと思う。
自分はこうなんだと思ったことを貫き通し挑戦し突き進む。

『まぁこれくらいでいいや』とか、そんな気持ちでやっていては掴めるものも掴めない。自分の信念に基づき拘ってやる。それと、常に上を目指して日々成長していく気持ちが大事。
そうすることで必ず道が開けてくると思う。一歩踏み出すことができれば人生を変えることすらできる。

– 5月10日の佐賀公演を楽しみにしています。

原﨑)TAOには感動、喜び、楽しさが詰まっているので単純に楽しみに来て下さい。
きっと何かのきっかけや元気をあたえますので。1人でも多くの方にお会いできることを
楽しみにしています。損は絶対にさせません!

公演情報

DRUM TAO

佐賀市文化会館・大ホールで佐賀公演を開催!

日程:2015年5月10日(日)
時間:開場 17:15 / 開演18:00
会場:佐賀市文化会館・大ホール

>> 詳細は佐賀公演特設サイトへ

【九州ツアー日程】
・5/10 佐賀
・5/15 久留米
・5/16・17 熊本
・5/22〜24 福岡
・5/29 大分
・5/30・31 北九州
・6/7 長崎
・6/13 鹿児島
・6/14 宮崎
・6/20 沖縄

>> 詳細は公式サイトへ

プロフィール

原﨑太郎

原﨑太郎

出身地:佐賀県
舞台上では”歌舞伎”キャラクターで定着し、舞台にかかせないメンバー。
プレイヤーのみならず、バイリンガルとして、頭脳的な一面が特徴的。
海外ではスタッフの一員としても大活躍。

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