山領ファーム:野菜嫌いの子どもたちにこそ食べてもらいたい。

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近年では野菜を販売するスーパーや生鮮市場、飲食店など様々な場所で産地や生産者の表記が普及しています。

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様々な農産物が収穫される佐賀平野で、その玉ねぎの美味しさが口コミで広がり、地元飲食店や関東・関西まで出荷を行う、山領ファームの典秀さんと妻の裕美さん。「野菜嫌いの子どもにこそ食べていただきたい」という思いをこめたこだわりの農業と、生野菜を食べてくれない子どもを抱える実体験から生まれた「食べる玉ねぎドレッシング」。

夫婦分業で栽培から、出荷・加工を手がける山領夫婦にお話を聞いてきました

山領ファーム

− いつごろから農業に携わっているのでしょうか

典秀)もともと父親が兼業農家として米や麦、大豆などを育てていたのですが、父親と私が脱サラをして、2009年より夫婦で山領ファームを立ち上げました。

− ご両親の代から、この広い土地で農業をやっていたんですね。

典秀)いえ、父の代では現在の10分の1程度の広さで展開していましたが、山領ファームのスタートをきっかけに現在の規模になりました。

山領ファーム

自分たちがどう評価されているのか。

− 玉ねぎづくりのこだわりは、どのようなところでしょう。

典秀)気をつけているのは肥料のやり方です。現在使用している肥料は、約3年ほど試行錯誤し成分を微妙に調整し、肥料の撒き方も注意しています。それと愛情を込めること。

愛情を多く込めて作ると収穫時にとても美味しい玉ねぎができます。収穫も一つ一つを手作業で行い、丁寧に選別してお客様へ直接お届けしています。

− 直接届けられるとは、どういった意味でしょうか。

典秀)通常、収穫した農作物は、農協に出荷するケースが多いのが現状です。

それだと様々な生産者の作物と混ざってしまい、口にする方にとって、生産者が誰だか分からない状態になってしまいます。それだとお客様からの声が返ってこないので、自分たちがどう評価されているのか分からないのが私達は気になっていました。

収穫期になると近所の方や知り合いに配ると、ダイレクトに『美味しかったよ』など直接声が返ってきます。これが仕事の上で、私たちのモチベーションになります。こだわって作っているからこそ、生の声を聴きたいという所から、ホームページを立ち上げネット販売をするようになり、佐賀の飲食店やスーパーに直接卸し、生産者が分かるように前面に出していただいて、私たちの名前などを覚えていただくようにしています。

山領ファーム

玉ねぎに含まれている糖度が違います。

− こだわって作られた山領ファームの玉ねぎには、他の玉ねぎとどのような違いがあるのでしょうか

典秀)玉ねぎに含まれている糖度が違います。
普通の玉ねぎだと糖度が10度ほどですが、山領ファームの玉ねぎは12〜13度の糖度があり、ほんのり甘くみずみずしさがあります。

− 飲食店への提供は、佐賀県内のみに限られるのでしょうか?

典秀)佐賀がメインですが、関東や大阪にも卸しています。そのほか、私達の子供が通っている保育園でも使っていただいています。

山領ファーム

どうやったら食べてくれるだろうと悩んでいました。

− オリジナル商品ドレッシング『食べる玉ねぎドレッシング』はどのようにして生まれたのでしょうか

裕美)実はうちの子供が生野菜を食べてくれず、どうやったら食べてくれるだろうと悩んでいました。ほかにも、生野菜にマヨネーズや脂分の多いドレッシングをかけて子供には食べさせたくないなどの悩みがあり、自分で収穫した玉ねぎをを使ったドレッシングを作ったのが最初の始まりです。

玉ねぎを出荷する際に、規格外で市場などに卸せない物が出てきたりします。味は変わらないけど見た目で出荷できないなど、収穫するまでの手間暇は変わらず、育ててきた玉ねぎを廃棄するのは勿体ないという思いもあり『食べる玉ねぎドレッシング』を作りました。

− 玉ねぎ加工などの知識はおもちだったのですか?

裕美)玉ねぎを加工するノウハウなどは持っていなかったです。まったくのゼロからの出発でした。
なので反対の声も多かったのですが、愛情を込めて育てた玉ねぎを廃棄することがいたたまれず加工の講習などを受講したり、様々な場所へ足を運び、少しずつ知識をつけていきました。自分で作ったドレッシングを近所の方や、講義の先生などに分けたところ『美味しいね』と言う声を多くいただいたので、それから本格的に試行錯誤しながら2年ほどかけて完成しました。

山領ファーム

ドレッシングからも野菜をとることができます。

− 一般的な玉ねぎドレッシングとの違いはあるのでしょうか?

裕美)一番の違いはドレッシングに含む玉ねぎの量だと思います。約6割、玉ねぎを使用しています。普通は油分と玉ねぎが分離した物を振って混ぜないといけないのですが、使用している玉ねぎの量が多いので分離したりしないです。まるごと1個玉ねぎがドレッシングに入っていると思っていただいていいです。そのため、ドレッシングからも野菜をとることができますよ。

− お子さんの生野菜嫌いは克服しましたか?

裕美)はい、すごくうれしい事に、子供たちがこのドレッシングをかけると生野菜を食べてくれるようになりました。周りの方たちからも、同じような声をいただくようになりました。私と同じように、子供が野菜を苦手としているご家庭の方は、ぜひ一度試していただきたいです。

典秀)子供が生で食べてくれる玉ねぎを作りつづけることが、私たちの目標です。

プロフィール

山領ファーム

山領典秀

1977年生まれ 佐賀出身
脱サラをし2009年より夫婦で山領ファームを立ち上げる。

山領裕美

佐賀出身
食べる玉ねぎドレッシングを発案し2013年2月より販売を行う。

山領ファーム

住所:佐賀県佐賀市諸富町山領556
お問い合わせ:0952-47-4560
HP:http://yamaryou-farm.com/

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